「より多くのお客様に届けたい」。その想いから、サイズを増やし、色を増やし、SKUを増やしていませんか。
一人ひとりのお客様を考えれば、その発想は間違っていません。しかし、その結果、本当により多くのお客様へ商品を届けられているのでしょうか。
AceLinkでは、SKUを増やすことよりも、売れる状態を維持することの方が重要だと考えています。
「SKUは多い方がお客様に優しい」という前提
低身長のお客様、高身長のお客様。豊富なカラー展開、幅広いサイズ展開。選択肢を増やすことは、お客様への配慮のように見えます。
一方で、商品を作る総数量が変わらないなら、SKUが増えるほど一つひとつのSKUへ配分できる数量は少なくなります。選択肢を増やしたつもりが、売れ筋のサイズや人気カラーを早く欠品させることがあります。
売れ筋サイズだけがすぐ欠品する。人気カラーだけがなくなる。追加発注も間に合わない。本来購入できたはずのお客様が商品を買えずに帰ってしまう。これは、SKUを増やしたことで、かえってより多くのお客様へ届けられなくなる逆転現象です。
見えないコストは、在庫だけではない
SKUが増えると、増えるのは在庫だけではありません。接客時間、在庫管理、店舗間移動、値引き、発注判断、棚替え、棚卸し。あらゆる業務が少しずつ複雑になります。
これらのコストは、売上の数字だけでは見えにくいものです。しかし、利益と現場の時間を少しずつ奪っていきます。
選択肢を増やす設計
- SKUごとの投入量が薄くなる
- 在庫・売場・発注の管理点が増える
- 欠品と滞留が同時に起きやすい
届ける商品を絞る設計
- 売れ筋に十分な数量を置ける
- 売場と在庫を整えやすくなる
- 販売状況から次の判断をしやすい
「一部のお客様」のために、多くのお客様を失っていないか
SKUを減らす話をすると、「サイズが少ないとクレームになる」「カラーが少ないと選ぶ楽しさがなくなる」という懸念が出ます。もちろん、その懸念を無視してよいわけではありません。
ここで考えたいのは、誰を基準に商品を作るのかということです。AceLinkでは、本当に大切にすべき対象の一つをサイレントマジョリティとして捉えます。
声を上げる少数のお客様だけではありません。「欲しかったサイズが欠品していた」「人気カラーが売り切れていた」。そんな理由で、何も言わず帰っていくお客様です。この見えない機会損失こそ、経営では見落とされやすい課題です。
大企業ほどSKUを絞るのは、集中させるため
多くの商品を販売する企業ほど、SKUを単に増やすのではなく、商品ごとの役割と数量を厳しく見ます。理由はシンプルです。SKUを絞れば、一つひとつの商品へ必要な数量を投入しやすくなるからです。
欠品を減らす。売場を整える。在庫管理をシンプルにする。重要なのは「少ないSKU」が正解ということではありません。ブランドの顧客、価格帯、供給体制、売場の容量に対して、管理でき、届け切れるSKU数を選ぶことです。
AceLink Perspective
AceLinkでは、SKUは「増やせるだけ増やすもの」ではなく、経営資源をどこへ集中させるかという意思決定だと考えています。
すべてのお客様へ届けることは、現実的には非常に難しい。しかし、より多くのお客様へ、欠品なく、魅力的な売場で商品を届けることはできます。そのためには、勇気を持ってSKUを絞る判断も必要です。
SKUを減らすことが目的ではありません。利益が残り、お客様に商品が届く状態をつくること。それがAceLinkの考えるMDです。
次回の商品計画会議で、3つ確認する
まず一つのカテゴリで、欠品したSKUと動かなかったSKUを並べてみてください。次のシーズンで集中させる場所が、少しずつ見えてきます。
※ 本記事は、アパレル・雑貨の商品計画における一般的な考え方です。適切なSKU数や数量は、ブランドの顧客、商品特性、供給体制、店舗条件によって異なります。